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• イギリス在住12年 • フードスタイリスト リンクフリーです。 お返事が遅れることがよくあります。気長にお待ちください。 →ブログランキング 写真や記事の無断使用は固くお断りします。 copyright all content ©2007-10 kitsch-en ブログパーツ
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いくつかお正月の料理を作ってみました。 お雑煮、お寿司、おしるこです。 やっぱり日本食は良いですね。 海外で年末お正月を迎えるとなると、日本らしいお正月をするためは、普段の食事より多少の努力が必要になります。うちでは日本人も私一人なので、だれも懐かしがってはくれないのですが、自分のなかで、自分が育ってきた文化やしきたりを忘れたくがないために、毎年お正月は日本らしい食べ物をいくつか準備するようにしています。新年のお祝いと自己満足ですけどね。 でもこうでもしないと、1年が締めくくられ、そして新年が明ける気分にはならないのです。日本にいる友人や家族のことを思い出したり、感謝したり、時々そういう時間を自分のためにつくることも大切だと思っています。 現在の仕事のフードスタイリングをはじめる前、お寿司のケータリングや出張パーティーのシェフをしていたこともあり、新鮮な魚を買うのが難しい私の地域では、色々な食材を使ってお寿司を作って販売していました。今回は3種類準備。 1、鶏の照り焼き巻き(人参とパースニップのきんぴら、いんげん、胡瓜、葱、鶏肉) 2、スモークサーモン巻き(胡瓜、サーモン、コリアンダー) 3、ビーガン向け野菜巻き(オクラ、胡瓜、沢庵、人参、葱、パプリカ) スモークサーモン巻きと野菜巻きにはアボガドが入るともっと良いのですが、買い忘れてしまいました。具沢山の巻物なので、お惣菜巻きと呼んだ方が良いかもしれませんね。生魚を巻くよりよっぽど手間がかかると思うかもしれませんが、サンドイッチのパンの代わりに、ご飯で巻いた感覚でしょうか。 都会と違い、かなり保守的な地域のイギリス人にお寿司を食べてもらう場合、いくつか経験から学んだコツがあります。 (1)生魚を嫌がる人には、調理されたものを使う。鮭の照り焼きなど。 (2)あまり大きすぎる巻物は作らない。箸をうまく使えないため、2等分にできないので、なるべく一口サイズにする。 (3)アレルギーに関しての情報を把握すること。胡麻がだめという人もいます。 (4)海苔を外側に巻くと、気味悪がって食べない人も居るので、裏巻きでごまかす。裏巻きだと内側に海苔が入っていることに気づかずに、躊躇せず食べてくれます。 (5)日本のお寿司の固定観念にとらわれず、地域で特産の野菜や肉も使う。牛のたたきの握りとかも中々いけます。 (6)握りのサイズも小さめに。 ネタがしゃりより大きいと(特に赤身など)、見た目に負けて手が出ないみたいです。彼らにとっては刺身などはあまり食べ慣れたものではないので、小さめで味見程度に。ロンドンの外人向け寿司レストランのなどの、ネタが小さいのは多分そういう理由だと思うのですが、日本人から見ると失格寿司のほうが人気が高いのは悲しいですけどね。 (7)山葵をそのまま食べてしまう人がいるので、必ず前もって注意すること。日本食未経験英国人16人中、2人被害者がでました(汗)。しかもお金持ちの方々のパーティーで、既に知っているだろうと思ったのが間違いでした。 と、こうやって皆の要望に答えられるように日本食を作るとなると、日本食ではなくなってきてしまうのですが、郷に入れば郷に従わなくてはならない部分もあり、こういうお寿司を販売しながら地域の人たちに「私は日本人ですよ」と訴えてきました。残念ですが商売として成り立たせるのが難しいと思ったため、こちらのお仕事は一昨年をもって閉めましたけどね、終わりは新しいことの始まりということです。いまでも日本食の調理実習などは、希望があれば時々やっています。 日本人の存在は、外国に住んでみて、以外に小さいということ。 大きな声で叫べる人ほど、チャンスが割と多い気がする。 この国に住むにあたって、日本人としての謙虚さは控え、無礼さにならない程度に自分が出せるようになろうと思ったのです。 相手を知って自分を知るなか、自分の一部分が変わってきたりもし、今年在英10年目に突入するなか、2つの文化を良いバランスで保って行きたいな、と思います。 なんだか難しい話になりました。 「笑う門には福来る」は国際的に共通だと思うので(そうか?)、はっはっはー、今年はより良い年にしますよ。
by kitsch-en
| 2008-01-03 00:43
| 料理
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